顧客ニーズの多様化に対応した新メニュー開発(飲食関係)
◆事業概要
めんつゆにもこだわり、ムロアジを中心に4種類のだしをブレンドしたものをベースとして、地元笠松町の地溜り醤油を使用することによりさらに深みのあるめんつゆに仕上げています。
店舗の老朽化
1981年に現在の店舗に移転してから、大規模な修繕を行っておらず店舗や設備の老朽化が進んでいました。
お客様の要望に応じてメニューを増やし続けた影響もあり、厨房スペースが手狭になり作業の効率が悪化していました。
また、和式トイレや座敷に抵抗を感じるお客様もおり、洋式トイレや掘りごたつ席の要望が多くなっていました。
顧客ニーズの多様化
長年地元のお客様に愛されてきた老舗うどん店として、うどんから丼ぶりものまで様々な要望に応えてメニューに加えてきました。しかしメニューの増加に伴い、オーダー間違いが発生したり、お客様に料理を提供する時間の調整や提供する料理の出来栄えなどの気配りをする点がはん雑になっていきました。メニューの絞り込みをしていく必要があるもののお客様が離れていくのを防ぎながら、他店との差別化を行っていく難しさがありました。
新店舗のリニューアルオープン
長年営んできた愛着のある店舗ではありましたが、事業承継を機に新店舗建設を家族会議で決定しました。今まで障害となっていた設備面の問題点を全面的に見直し、投資計画を含めた今後の事業計画策定を進めました。
新メニュー(細打白味噌煮込みうどん)の開発
従来メニューの絞り込みを行うと共に、めんの太さを細くして食べやすくし、今までなかった白味噌ベースの味噌煮込みうどんの開発に取り組みました。全ての工程を手作業で行っているからできる当店の強みを生かしたメニュー開発でした。
リニューアルオープンに伴う広告宣伝
今まで当店のうどんを愛してもらってきた地元のお客様に、伝統をそのまま引き継ぎながら今後も本物の手打ちうどんを提供し続けていくことをアピールしたいとの思いがありました。さらに、新規の来店者(20~30代)にも好まれるような新しい手打ちうどんの開発にも挑戦していることを認知してもらえるように、地元を中心に広告宣伝を行いました。
新店舗オープンによりお客様が増加
新店舗のオープンにより平日で今までの2倍、土日では1.5倍にお客様が増加しました。今まで当店に来られていたお客様はもちろん、新しいお客様にも来店していただくことができました。新メニューの細打白味噌煮込みうどんも1日限定20食の販売が、連日ランチタイムで完売する人気メニューとなりました。
事業承継補助金の活用
新しい店舗の設備や広告宣伝に事業承継補助金を活用することができました。多額の資金が必要ではありましたが、その一部を補助金により支援してもらうことができ、同時に専門家による支援を受けることで今後の事業の方向性も明確になりました。
親子での事業の継続
ご子息は他店で修行した後に当店に戻り、専従者として25年間一緒に事業を行ってきました。ご尊父が元気なうちに円滑な事業承継を行うことができ、お客様に満足してもらえる手打ちうどんを提供し続けることに専念することができます。
『まだまだ未熟ですが、4代目店主として受け継がれてきた伝統を守りながらこれからも地元のお客様に愛され続ける角浅ののれんを必死に守り続ける強い意志を持つことができた。そのためにも手打ちにこだわりお客様のニーズにあった手打ちうどんを提供し続けていきたい。』とご子息は笑顔で話されていました。